性交痛は解消できる

 

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「セックスしたくない」の原因は

セックスしたくない。

この悩みで来談する方は「性嫌悪」「性欲がない」といった言葉を申込みの際に記入してきます。
しかし、パートナーとの関係性の問題もあるとはいえ、「性交痛」が元々の原因だった方が少なからずいます。

挿入が痛くて辛いが我慢してきた。
そのうちセックス自体がイヤになった。
しかし夫に言うと機嫌が悪くなるのでなんとか我慢を続けている。
最近は夫に対しても嫌悪感があり、このままでは夫婦関係も壊れてしまいそう。

と切羽詰まった状態になってやっと相談に来るのです。

 

こういった場合、問題は3つに分けられます。

・性交痛
・性嫌悪
・夫との不和

どれも深刻な悩みですが、全部をいっぺんに解決とはいきません。

問題が重なっている場合は、「改善しやすい悩み」「最初に発生した悩み」から手をつけるのがいいのです。

 

「したくない」のは痛いから

わかりやすい例をあげましょう。

 

Eさん(31)は結婚3年、もともとそれほど好きではなかったセックスが最近はとても苦痛で、離婚も考えるようになったと言って来談しました。

「私がセックスの誘いを断ると夫の機嫌が悪くなる。仕方なく3回に1回くらい応じるんですが、私の顔がこわばっているらしく、夫は『そんなにイヤそうにするんならもういい』と怒って背中を向けてしまいます。そんなことが3年間繰り返されていて、こんなに分かり合えない夫なら別れた方がいいのかと思うようになりました」

Eさんが夫の冷たい態度への不満ばかり語るので、
潮「それでも3年間一緒にいられたのは、ご主人にどんないいところがあったからなのでしょうか?」
とポジティブな方に目を向けてもらうようにしたところ、まじめでよく働く、収入もいい、基本的な家事もできる、休日に一緒に出かける時は映画を見たりお酒を飲んだりして楽しい、と長所がたくさん出てきました。

Eさん「それでも、昼間楽しく過ごした土曜の夜など、まるでご褒美を求められるように主人の手が伸びてくると嫌だなあ、と思ってしまうんです。セックスがなければいいのに」

潮「ではセックスのどんなところがイヤだと感じるのでしょうか?」
Eさんは、「痛いから。でも痛くない時がたまにあっても気持ちよくない」と即答でした。

 

対策を夫任せにしていた

その後、いつから、どんな時に、どのように痛いかなど詳しく聞いてわかったのは、Eさんにとって夫が初めての男性だったこと、初めての時からずっと痛かったが”結婚して慣れたらどうにかなるだろう”と楽観視していたこと、痛みの対策は夫任せにしていたことでした。

最初の頃の痛みの原因は、恐らくセックスに不慣れで緊張し濡れなかったからだと思われました。
そこで夫が買ってきたローションを塗ったがほとんど効果がなく、かえって事後にゴワゴワして性器がかぶれてしまったとか。
ローションの商品名を聞いたところ、それは男性のマスターベーション時や、風俗のマットプレイで使われるものでした。
男性にとってはなじみのある商品のため気軽に買ってきたのでしょうが、「ポリアクリル酸ナトリウム」という膣内の水分を奪う逆効果の成分が入っているものだったのです。
それですっかりセックスが恐くなってしまい、その後夫が買ってきた別の製品を使っても気持ちが萎えているせいか効果が感じられず、どんどんセックスがイヤになっていったとのことでした。

Eさんの場合、性的なことにうとく情報を自分で取りに行く積極性がなかったため、夫任せにしていたことに問題がありました。
ネットで検索すれば女性の体に優しい性交痛対策ジェルがたくさん出てきます。
もちろんそれだけが痛みの原因ではないため、効果は使ってみなければわかりません。
しかし夫と協力して、一つ一つ試しながら考えられる原因を探していく過程をたどっていればこんなに長期化しなかったのではないかと思われました。

 

痛みの原因は2人で見つけよう

セックスの内容に関しても、あまり経験がない夫の愛撫が不十分だったり、挿入が乱暴だったり、体位の工夫がなかったりと、問題がいろいろありそうでした。
今はもうセックス自体が億劫になっているEさんでしたが、このまま放置していてはいつまでも解決しないので、「無理せず痛かったらすぐに止める」と夫に約束してもらった上で、2人で努力をしてみることになりました。

幸いEさんの場合は体の形状に異常はなく、夫がこれまでの性急な挿入を改めてEさんをリラックスさせ、慎重に進めるようにしたことで痛みがかなり改善されました。
挿入前の気持ちよさは感じられるようになったこと、挿入後も調子が良ければ痛みがほとんどなくなったことで、セックスの誘いを受け入れられるようになりました。
そうなると夫も機嫌がよく優しくなって、2人の間のコミュニケーションが良い循環に変わっていったのです。

これは理想的なパターンの事例なので、そう簡単にいかないこともあります。
性交痛の原因には、女性が狭すぎる、あるいは男性が大きすぎるという場合もあるし、テクニックやコミュニケーションの影響も大きいため、2人がどれだけ協力し合えるかにもかかっています。

ただ、ちょっとした工夫で大きく改善する可能性があることも事実。
様々な性に関する悩みの中で、性交痛は比較的改善の糸口がつかみやすい悩みでもあるのです。

痛みからセックスが嫌いになり、そのうちにパートナーまでもが嫌いになる・・・となる前に、「ちょっとした工夫でよくなるかも」と希望をもって試していただきたいと思います。

 

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 性交痛を感じたら

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