「聖なるズー」で動物性愛を学ぶ

 

今話題のノンフィクション、「聖なるズー」(濱野ちひろ氏著)

ご覧になった方も多いかと思います。
私はこの本の広告を見て、このジャンルの専門書があるんだ、ということにまず驚きました。
長年カウンセリングをしていても、まだお目にかかったことのない性嗜好が動物性愛だからです。

特殊な性嗜好、いわゆる性癖は多岐にわたりますが、それが精神疾患の範疇に入るかどうかはDSM-5(アメリカ精神医学会)やICD-10(世界保健機関)などの定義により判断されています。

 

痴漢、盗撮、小児性暴力といった犯罪に当たる行為を行った者は司法や医療機関に委ねられるので、一般のカウンセリング機関で対面することはあまりありません。
「そういった行為を実行してしまいそうな自分が恐い」という未遂段階の方が来談することはありますが、結局専門病院にリファーすることが多いので、実際に私達が扱う悩みとしては、「犯罪ではないがその嗜好のために困っている」という主訴のものになります。

「こんな嗜好があるのか」と驚くような方とお会いすることもたまにありますが、それでも私は「動物性愛」の相談は一度も受けたことがありません。
子どもの頃に読んだ本で、かつて欧州の貴婦人が飼い犬に舐めさせるのが流行っていたという記述があったのを記憶していますが(バター犬という単語が衝撃的だった)その真偽はわかりません。
そういう人もいるんだろうなとは理解しつつも、もし当事者が来談したら果たしてどういうアドバイスができるのか、迷ってしまうところです。
家族がいなくて誰にも迷惑をかけないのなら構わないのか。
あるいは動物虐待という犯罪行為に当たるのか。

その疑問を解くカギになるのがこの本です。
濱野氏はドイツに動物性愛者を擁護する団体があると聞き、現地に飛んで当事者と生活を共にしながら取材をしました。

一般には嫌悪感を持たれる性嗜好ですが、動物(ほとんどが犬だそう)との愛情に満ちた交流を見ているとそれが本当に虐待なのかわからなくなってきたそうです。
過去にひどいDVに遭い今もその傷を負う濱野氏は、力と恐怖で支配する男性の性暴力と較べて、どちらが本物の愛なのか、という疑問を抱くようになります。

もちろん言葉で合意を示すことのできない動物が対象である以上、動物との性行為が虐待になる可能性は捨てきれません。
いくら当事者が「動物の方から求めてくるサインがわかる」と主張しても、それを第三者が客観的に認めることは難しいでしょう。
濱野氏は当事者としばらく暮らし親近感が湧いたために、善悪の判断が甘くなったのだという批判もできるかもしれません。

それでも、当事者寄りの視点になると痛烈な批判を浴びかねない、この困難なテーマに取り組んだ濱野氏の勇気に私は感銘を受けました。
警戒する当事者と丁寧にメールの交換をし徐々に友情を育んでいくには相当の語学力が必要です。
濱野氏は帰国子女で英語ができるということで、そのバックグラウンドもこの取材を敢行するための必須条件だったのでしょう。
海外で自在に取材対象と交流できることが単純に羨ましい!と思いました。

長期にわたるDV被害の経験、語学力、未知の環境に飛び込む勇気、特殊なセクシュアリティという摩訶不思議なテーマへの好奇心、優れた文章力。
濱野氏の持つ様々な強みが結実した良書です。
とにかく面白く、夢中になって読み終えました。
単純な好奇心で手に取った方でも、読み終わった時にはいろいろ考えさせられることでしょう。
セクシュアリティに関心のある方はぜひご一読を!

 

カウンセリングでは、浮気、カップル関係、性機能、セックスレス、キャリアなどでお悩みの方に改善方法をお伝えします。男性からの性癖に関する相談も歓迎です。パートナーの困った性癖に関する相談もどうぞ!
ラインまたはメールでメッセージをくださいね!

 

性のお悩み解決方法LINEで配信中

セックスレスの解決策、パートナーの浮気の解決法や浮気防止策などの情報をLINE@で配信しています。 誰にも知られずコッソリ、解決法を知ることができます。 LINE@の登録コチラから



カウンセリング受付

セックスレス・セックス・性機能・パラフィリア(性癖)・夫婦不和・離婚などの悩みを改善しています。 セックスレスや夫の浮気のご相談の依頼をたくさんいただいています。 電話・スカイプ・対面でのカウンセリングを行っています。

カウンセリングのお申込みはコチラから >>カウンセリング料金について >>カウンセラーの紹介 >>よくある質問