野原広子「さいごの恋」に思う人肌の温もりの大切さ
いつの間にか何となくマンガを読まなくなって久しい今日この頃、朝日新聞の書評を読んでふと興味を惹かれて買ってみました。
関心を抱いたのは、主人公が独身の46歳、愛猫を亡くし喪失感が押し寄せている頃に更年期障害も進行、同年代の友人が再婚したり恋愛したりしている様子を見て焦りを感じ始める…というあらすじを読んだからです。
今どき未婚でも周囲にあれこれ言われることはないし、安定した収入さえあれば結婚する必要性を感じずに生きていけます。主人公の高校教師、清美もたまに寂しさを感じることはあれど自分の生き方にそれなりに納得して生活しています。
しかし体の不調をきっかけに「女の人生」を考え出し、このままで自分は終わってしまうのだろうか、という危機感に襲われるのです。
「女として終わる」という焦燥感
長年女性のカウンセリングをしていて思うのは、この更年期の焦燥感から「人生を変えたい」という衝動に駆られる女性の多いことです。
女性ホルモンの減少や閉経はやがては誰にも訪れる現象ですが、それに「女性として終わり」という意味付けをして、何か大切なものを失ってしまったのではないか、それは二度と手に入らないのではないかと恐れと不安を覚えるのです。
失うだろうものは、若さ、女として見てもらえる容貌、キラキラした恋愛、性行為、子どもを持つ可能性など。
頭では、別にこれまでも恋愛やセックスがしたかったわけではない、子どももほしくはなかったとわかってはいても、いざ失う時が来たと思うと突然それがとても大事なものだったような気がしてしまうのです。
このマンガでは、焦った清美がマッチングアプリを始め、いざやってみるとそれなりにワクワクしてくるが、写真を送ったり待ち合わせした途端に相手が「消えた」時、自分の衰えた容姿を直視して激しく落胆するなど、現実によく聞く「あるある」の経緯をたどります。
その後清美は冴えないルックスで低収入と思われるが優しい男性とマッチングし交際を始めます。セックスは若い頃のような「めくるめく盛り上がり」とはいかないものの、体をくっつけて寝る温かさに幸せを感じ交際は順調に進みます。
ところがある時彼から「お金を貸してほしい」と電話があり、断ると連絡が途絶えました。やはりロマンス詐欺だったのか…と現実を突きつけられたのですが、そこからの展開が素晴らしいなと感動したのです。
ネタバレになりますが、彼には様々な事情があり最後はホームレス状態になってしまいました。その彼を助け自宅に住まわせ、再就職できるまで面倒をみてあげます。
そして彼が自活できるようになってからはお互いの家を行き来して、たまに会って楽しく過ごす、茶飲み友達のような恋人のような居心地のいい関係を築くことになります。
自立した大人だからこそできた選択
私が注目したのは、客観的に見たらどう考えても「ダメ男」の彼を選択した清美の決断です。
母親のために介護離職した、隣人にお金を貸した、などのいい人エピソードはあるものの、「退職する前に貯金はしなかったんかい!」とか「アルバイトを首になるほど仕事ができないってどうなのよ」とか「彼女に借金を頼んだ時に、恋心を利用しようという気持ちが全くなかったと言えるのか?」とか、ツッコミどころはたくさんあるのです。
そして当の清美もそんなことは十分わかっていたはず。
周囲に相談したら全員が反対するような悪条件の男性です。
それでも清美は自分の価値観に従って判断をしました。
彼のマイナスポイントを認めつつ、自分にとって彼の存在がどんな意味を持っているかを冷静に検討したのではないでしょうか。
彼のおかげで体調がよくなった。
一緒にいる時間が楽しかった。
肌を合わせる時間が幸せだった。
自分を肯定することができた。
人生に彩りを与えてくれた。
そして清美がこの決断を下せたのは、清美が自立していたからだと思います。
堅い仕事と貯金があり、当分は男性を養っても困りません。
それに結婚しないのだから財産を取られる心配もなく、大人同士の付き合いができます。
「男の方が稼ぎがよくないと」といったジェンダーバイアスがなく、豊かな方が困っている方を助ければいいという柔軟な考え方ができるからこそ可能だった選択でした。
自分の直観を優先する
ほとんどの女性が尻込みしそうな状況でも自分らしい決断ができたのは、周りの意見に惑わされてブレることなく、今自分に一番大事なのは人肌の温もりなのだという直観を信じたからでしょう。
パートナー探しをする時の条件として、「優しさ」「経済力」「家事能力」「干渉しないこと」「身長」など色々挙げるものです。
カウンセリングでも「何が上位であっても構わないので、自分で優先順位をつけてみましょう」と伝えることがあります。
しかし条件はその時々によって変化していくものです。
交際を始めてから「なぜかわからないが居心地がいい」と感じたらそれは相性がいいということだと思います。
会話のテンポ、好きな食べ物、泣き笑いのツボなど違和感がなくしっくりくること。
そして肌を合わせた時に、温かいなあ嬉しいなあと、ふくふくした気分になれること。
そういう相手と出会えたら、その他の条件を脇に置いてでもその人を選んだ方がいいのではないかと思います。
そんな選択ができることが本当の強さだと思うのです。
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