「メッセージだけだから浮気じゃない」と言う夫

 

 

「夫の性癖について相談したいです」
というコメントを添えて予約をいただくことがよくあります。
実際にお会いして内容を聞くと主訴が夫の浮気だったりします。

ひと昔前の浮気は2通りありました。
一つは、会社の部下や行きつけのスナックのママなど、身近なところで知り合った特定の女性と、恋愛感情を伴った一定期間続く関係を持つもの。
もう一つは、風俗でのセックス目的の遊び。

両者の違いは恋愛感情の有無の1点でした。
しかし最近はその中間型というのか、恋愛とも遊びとも友情とも分類できない関係を持つ人が出てきました。

それは出会い系サイトで出会った相手との交流です。

 

出会い系サイトに求めるものは?

私も詳しくは知らないのですが、出会い系での出会いには様々なパターンがあるようです。
明らかに金銭が介在したセックス目的であるもの。
趣味の仲間の延長みたいな雑談を楽しみ、会おうという話に発展せず文字や映像だけでの友情が続くもの。
気持ちが高まって来て「会おうか」という流れになりつつも、会えば性関係になることがわかっているために、そこでお互いためらったままフェイドアウトしていく疑似恋愛関係のようなもの。

出会い系で知り合う相手に何を求めているかで、何に対する依存かが推測できます。

依存症には、物質依存、プロセス依存、関係依存などがあります。
風俗での一過性のセックスではなく、お互いに好意を寄せる段階のドキドキ感を楽しみたい人はプロセス依存、関係依存の傾向があるといえます。
そういう人の場合、出会い系で相当数の異性と知り合っていながら、1回も会っていない、あるいは性関係になっていないことがけっこうあります。

 

 

浮気と認めない夫

「夫の浮気をやめさせたい」という主訴で来談したUさん(30)のケースです。
(個人が特定できないよう複数の事例を加工してあります)

同い年の夫とは交際2年、結婚2年。
会社員の夫はまじめで温厚、スポーツもゲームもほどほどに楽しむ円満なタイプの好青年だと思っていました。
半年前偶然夫のスマホの中身を見てしまう前までは・・・

複数の出会い系アプリで100人以上の女性とやり取りし、そのうちの何人かとは会って食事をしていたことがわかりました。
出会い系を始めたのは学生時代で、自分と交際するずっと前から習慣になっていたようです。
どうして何も気づかなかったのか今となっては不思議なくらいですが、夫が自分以外の女性と会っている気配が全くなかったからだと思われました。

これまでやり取りした女性の数を考えると、
「これは性依存症だと思うんです」とのことでした。
ただ、どれだけメッセージや写真などを精査しても、恋愛やセックスを示唆するような文言は見つからず、どこまで深い関係なのか確信は持てなかったそうです。

当然Uさんは、スマホを見たことの後ろめたさ以上に夫の行為に激怒していたので、夫を問いただしました。
夫はさすがにうろたえていましたが、一貫して「友達だ。性関係はない」と主張し、一連の行動を「浮気」とは認めなかったそうです。

Uさんは妊活を始めたばかりで、夫と子どもと幸せな家庭を営む夢がありました。
夫を大好きだと思う気持ちに変わりはなく、ただこの出会い系依存をやめさせたいだけです。
夫は性関係を否定しますが、メッセージの交換も絶対やめてほしいと思っています。

 

メッセージのやり取りは浮気か

来談した動機は「どうしたらやめさせることができますか?」でした。
しかしこれは、性風俗でも婚外恋愛でも同様ですが、本人が「このままではまずい」と危機感を持っていないと難しいことです。
まずはそれを「浮気」であると認めること。
そしてやめるための努力をしていきたいと本心から思うこと。

浮気の事実を絶対認めない人も多くいます。
限りなく黒であったとしても、「絶対行ってない、していない」と言い張るだけ。
認めたら修羅場になるし、離婚の時に不利になるという計算もあるでしょうが、そもそも悪いことをしたという反省自体がない人もいます。

Uさんの夫の場合はそれでした。
「性的なことは何もしていないから浮気ではない」
の一点張りでした。
ここまで言うからには本当に関係がないのかもしれない、とUさんも思い始めましたが、これからもないとは言い切れないし、何より自分の知らないところで女性と仲良くしていること自体が不快で我慢できません。
このまま黙認するのは絶対不可能です。
「夫に自分がしていることの重大さをわからせたい」
とUさんは苦しんでいました。

後日、一度だけ夫はUさんに同伴して来談してくれました。
Uさんが同席していたので、本当に性関係があったのかと聞くことはできなかったし、夫もUさんの話を先に聞いている私に真実を話すとは限りません。
夫は相変わらず「浮気ではないし、悪いことをしているわけではない」と言っていました。

「ではなぜ黙っていたのでしょうか。Uさんは、浮気の有無よりも、自分が何も知らされずにいたことに一番傷ついているのではないかと思いますが」
と聞くと、
「伝えるとすぐ心配したり反対すると思ったので・・・悪いことをしていなくてもダメと言われたらできなくなるから」
とのこと。

「嘘をつくとまではいかなくても、結果として隠し事をすることになってまで、知らない女性と会話をしたいのはどうしてでしょう。どんなことが楽しくて魅力的なのですか?」
との問いには、しばらく考えてから、
「自分の趣味や考え方を支持されたりすると肯定された気分になるというか、自信がつくのかな・・・別に妻や家族に否定されているということではないです。でも、自分を全然知らない人にほめられると自分の存在をまるっと認められた感じがするような」
という返答がありました。

彼の初体験は学生時代、趣味のサイトで出会った女性でした。そうは見えなかったのですが、当時は自分をダサくてモテないダメ男と思っていたそうで、自分をよく知る学内やバイト先の異性よりも、全く知らない環境の人の方がリラックスして話せると気づいたとのこと。
それ以来、恋愛や性目的ではなく、寛いで仲良くなれる友人を探すためにサイトを覗くようになったのです。
そうはいっても、ほとんど女性とばかり仲良くしているのだから、性的な要素が全くなかったかというと違うでしょう。ただ本当に話し相手以上の関係に進もうとアクションを起こす気にはならなかったとのことで、バーチャルな友人は彼の自己承認欲求を満たすためのサポート資源に過ぎないようでした。
学生時代にもネットで知り合った女性と性関係になったのはごく少数で、実際に会ってお茶を飲んだりしたのは2割くらい、それ以外はメッセージを交わすだけの友達でした。
しかもUさんと付き合いだしてからは誰とも会っていない、本当に浮気はしていない。
夫はきっぱりとそう言いました。

 

 

浮気と認めなければ変わらない

浮気の定義はありません。
Uさんにとってはメッセージのやり取りが継続することが浮気の範疇に入るのです。
しかし夫にとっての浮気はセックスを指します。
その異なる価値観をすり合わせないと先に進めません。

私から夫には、
「ご主人の言い分もよくわかるがUさんにとってそれが不快であるのは事実で、お互いが浮気か否かを主張し合っても仕方ない。結婚生活を続けていくためには妻を納得させるやり方を考えて、充分話し合ってほしい」
と伝えました。

Uさんから聞いたところでは、その後2人で話し合いを重ねた末に、
「君がそんなに嫌がるならやめるよ」
と言ってくれたそうです。
しかしその言葉には反省が感じられず、まるで嫌がる自分の心が狭いと非難されたように聞こえて、モヤモヤしたままだとのこと。
「ほとぼりが冷めるまで控えているだけで、陰でまたうまくやってやろうと思っているのではないかと疑いが消えません」
と言っていましたが、証拠もないし何も言えず表面上は穏やかな日常に戻っているとのことでした。

夫に「性依存」はなかったととしても、「女性とのメッセージ依存」傾向があるのは確かです。
自分は何に満たされたいのか、そこに何を求めているのかという洞察を本人がしないままでは、恐らく簡単には変わらないのではないかと私も思います。

見知らぬ相手と簡単に気持ちが通じ合うツールが生まれてしまった現代ならではのこの病、簡単に改善することは難しそうです。

 

 

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