夫の在宅勤務で夫婦不和に

 

 

 

 

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言発令で、突然夫が在宅勤務になった。
夫と子どもがいると家事が倍増する上に、夫が何かと命令をしてくるので不快。
夫が家にいることがこんなに大変だったとは。

これは2020年4月以降に急増した妻からの相談です。
メディアでも盛んに「コロナ離婚」が取り上げられていた記憶があるでしょう。
その後徐々に通勤が再開しましたが、それでも週に1日はテレワークだとか、出張が廃止になりすべてウェブ会議になったとか、多かれ少なかれ「新しい日常」に移行している方が多いことと思います。
2年前に危機を感じ始めたカップルはその後どのように修復したのでしょうか。
ある夫婦を典型例として挙げてみます。
(以下のご相談は個人が特定できないよう変更を加えてあります)

 

夫への不信感が芽生えてきた

専業主婦のMさん(40)の夫(42)は大手企業の営業職。仕事柄、得意先回りや夜遅くまでの接待、休日のゴルフや地方出張と、あまり家にいないことが習慣になっていました。
しかしさすが大手で、テレワークが奨励されたとたんに各職種の業務がシステム化され、打ち合わせや客先訪問などすべてオンラインで済ませることが可能になりました。
当初は夫がコロナ禍の中で外出しないことにホッとしていたAさんですが、だんだんと夫の存在が疎ましく感じられるようになりました。

 

それは巷で言われているような「家事の負担が増えたのがイヤ」ということではないそうです。
夫も仕事の形態が変わり大変なのだから、身の回りの世話や食事の支度くらいはちゃんとしてあげたい、という思いは持っていました。
また、家にいる夫が家事育児に口出しするようになってうざい、ということでもありません。
Mさんに対して何か指図するのでもなく、食事に文句も言わず、仕事に専念しているということです。

それでは何が問題なのでしょうか?
Mさんはこんなことを言っていました。

これまで夫はほとんど家にいなかったので夫の書斎がありませんでした。そこで夫婦の寝室に座卓を置き急づくりの職場にしたのですが、寝室に洋服ダンスがあるため、私も時々入らなければいけません。でもノックをすると夫にムッとした顔をされて、
「会議中なんだから音を出すなよ」
と後で怒られます。
かといって静かに入ってもやはり夫には不愉快そうな視線を向けられ、時には手で”あっちに行け”、とまるで犬をシッシッと振り払うような仕草をされるのです。

「家の中とはいえ仕事をしているんだから、極力邪魔をしないでほしい」
と言われると、
「私にとってはずっとこの家が職場よ。必要があって入るんだから、あなたに遠慮ばかりできないわよ」と言い返したくなります。

漏れ聞こえてくる声を聞けば、夫は本当にずっと仕事をしており、決してタラタラ遊んでいるわけではないことがわかります。

でもテレワークが始まってから、口数が少なかった夫がグチを言うことが増えたような気がします。
これまでいつも遅く帰宅する夫に感謝と労いの気持ちを持っていましたが、案外飲み会やゴルフで息抜きをしていたのではないか?
夫にとって家にいること自体がストレスになっているのでは?
もしかして連日の接待は嘘で、浮気でもしてたんじゃないか。
今は彼女に会えないからイライラしてるのでは?
といろいろ考え過ぎてしまうようになりました。

 

夫は夜何をしていたのか?

改めて過去を見直してみると、夫は週に3、4回飲んで帰ってきていました。
早い時は11時くらい、遅くなると午前1、2時の帰宅も稀ではありません。
就職して以来ずっと忙しい部署にいたのでそれが習慣になっていましたが、そんなに接待費での営業活動があるものだろうか。終電ギリギリまで飲む必要があったのだろうか。
しかし、浮気の証拠があるわけでは全くないし、そもそも在宅勤務が始まらなかったらこんな疑いも持たず、営業職は大変だなとむしろ気の毒に思っていたくらいです。

そこでMさんが今抱いている不満や不安を一緒に整理したところ、

1.在宅勤務になってから夫がイライラしているため、家庭の雰囲気が悪くなった。
2.夫の態度に思いやりがなく、こんなに冷たい人だったのかと幻滅している。
3.夫の不機嫌の原因を想像してみると、仕事が大変だというよりは、外に出られないこと、特に夜に飲みに行けないことが大きな要因ではないかと感じた。
4.飲みに行く相手は取引先や部内の人と言っていたが、浮気相手という可能性もあったのかもしれないと突然ひらめき、その考えが頭を離れなくなった。

という流れをたどっていることがわかりました。

 

 

在宅勤務の環境を整えることから始めてみる

最初の問題は夫のぶっきらぼうな態度にあります。
この点は夫に反省してもらいたいところなので、話し合う機会を設けることが大事だと思われました。
ただ、その後の流れはMさんの推測に過ぎません。ソワソワとスマホをいじっているなどの、不倫中にありがちな怪しい行動をしているわけではなく、何の証拠もないわけです。
そこでひとまず嫌な想像はやめて、当面の問題から取り組むことにしました。

夫婦不和のきっかけは在宅勤務が始まってからの夫の冷たい態度でした。
働いている自分の方が偉いのだから自分中心にしろ、と言わんばかりの視線を向けられるため、Mさんは自由に部屋を行き来できなくなりました。
また、Mさんが食事の支度や掃除をしている姿を目の当たりにしながら労いの一つもなく、食事も黙って食べて、「忙しい」「疲れた」しか言ってくれませんでした。
外で飲めない分、晩酌の酒量が増えて、電気もエアコンもつけっ放しでソファで寝てしまう。
その後始末もすべてMさんがやっています。
そういうことの積み重ねで、これまであまり意識していなかった”夫の思いやりのなさ”に気づいてしまったことが原因でした。

しかしこれらは、環境を整えたり会話を増やしたりすることで改善する余地は大いにありそうです。

そこで今後も長引くであろう在宅勤務に向けて、娘が中学生になるのを機に家のリフォームをしました。
夫婦の寝室とリビングを小さくし、代わりに作った娘の個室と夫の書斎は、娘が吹奏楽部に入ったのもあり防音壁にしました。
限られた空間で快適に過ごすには、まず顔を合わせず一人になれることが大事だと思ったからです。

夫の冷たい態度に関しては、話し合いをすることになりました。
意外にも夫も来談してくれて、何度かは夫婦カウンセリングをすることができました。
Mさんの夫は社交的で愛想がいい方で、家での様子はわかりませんが、少なくともカウンセラーの前での話し合いは真摯に取り組んでくれました。

Mさんから言われた不満には、
「そんなつもりではなかったが悪かった」と謝罪の言葉もありました。

日々の生活に関しては、在宅勤務時間中は原則お互い干渉しないこと、退勤時間が過ぎてからは、夫婦で連絡事項の伝達や子どもと関わる時間をきちんと作ること、土日のどちらかに家族サービスをすること、週末は必ず2人でファミレスや喫茶店などに行って夫婦会議をすることなどを決めました。
また夫が大好きな外飲みは、コロナ下ということでMさんが大反対していたのですが、たまの息抜きとして、金曜夜に夫が同僚と飲みにいくことを許すことにしました。

Mさんはコロナ前のように家の中を1人で快適に過ごすことはできなくなりましたが、夫と棲み分けをしたことで大分ラクになりました。
また、夫も少しずつですがMさんへの気遣いや会話を増やしてくれるようになり、お互い何とか新しい生活形態に慣れてきました。

夫が完全在宅勤務になってから半年後には週3日に、今では月に5日程度にまで減りましたが、当時決めたルールは崩さないように気をつけて、週末の夫婦会議もまだ続けているということです。

夫婦で過ごす時間が増えると、お互いのちょっとした行動が気になりケンカになってしまうものですが、何が問題なのかをきちんと検討し、変えられることから変えていくことが大事です。

夫の浮気疑惑に関しては、実際どうだったのか私にもわかりません。確かに帰宅時間を聞くと、本当に仕事かな?と思わなくもありません。
でも何か具体的な証拠が出てくるまでは、あれこれ考えることに意味はないでしょう。
事実と想像をはっきり分けて、根拠のない想像をシャットアウトすることが、夫婦仲を持続させる秘訣だと思います。

 

 

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