結婚歴=セックスレス期間の夫婦
未完成婚とは
結婚してから一度も夫婦生活が成立していないセックスレスのことを「未完成婚」といいます。
つまり、結婚歴=セックスレス期間ということになります。
そんなことってあるの?
と驚かれるかもしれませんが、カウンセリングをしていると、時々未完成婚の悩みを聞くことがあります。
そうなる原因として多いのは、妻が性交痛でどうしても挿入できない、夫が深刻なEDである、などの身体的な理由です。
また、どちらかに性嫌悪があり、性行為を試みようとしても、どうしても受け入れられないという心理的な問題のこともあります。
いずれにしてもクリニック受診やカウンセリングを必要とします。
ただ、なぜセックスがないのか、理由がわからないということもあります。
それは、パートナーが心を開いて原因を教えてくれないという、コミュニケーション不全の状態にあるからです。
これは十年以上前にお会いした女性、Eさん(当時42歳)のケースです。
(ご相談内容は個人が特定できないよう変更を加えてあります)
理由もわからずに15年間レス
来談当時Eさんは42歳、お見合いで結婚して15年間、夫(49)と一度もセックスがない未完成婚でした。
Eさんは40代とは思えないほど幼い印象のある、小柄でおとなしい女性でした。
厳格な家庭に育ち、性に関することを口にすることをはしたないと思っていたため、どうしてセックスがないのか、なかなか聞くことができませんでした。
初めて聞いたのは結婚5年目頃、珍しく夫婦喧嘩をした時に勢いで、
「私は子どもがほしいんです。もしあなたがEDなのであれば薬もあるのだし、一緒に解決したいと思っています」
と言いました。
しかし夫は、
「いや、僕はもともとあまりそういうことに興味がないんだ。子どももほしいと思わない。それに結婚したら家族なのだから、もうそういう対象ではないだろう。僕は君との生活に満足しているよ」
と返答しました。
そのきっぱりとした言葉から、全くその気がないことが感じられました。
Eさんは性経験がなく性欲というものもあまりわからなかったため、欲求不満で苦しんでいたわけではありません。
しかしまだ見ぬ世界として憧れてもいたセックスが一生できないのだと思うと、とても寂しくなりました。
それ以後も、何回かそのような問答がありましたが、ここ数年は話題にもしなくなりました。
体があまり丈夫でないEさんは専業主婦として家事をこなし、まじめで寡黙な夫と平穏な生活を送っていました。
夫婦生活もすっかりあきらめて普段は考えもしなくなっていたのですが、最近再婚が決まった旧友から聞いた言葉に目が覚めたのでした。
「再婚の決め手はセックスが良かったからよ。もちろんセックスがすべてじゃないけど、そこから得られる幸福感はなにものにも代えがたかったから・・・」
というのろけ話だったのです。
Eさんは突然押し寄せる寂しさ、悔しさで涙が出てきました。この15年間夫にないがしろにされてきた、という恨みが湧いてきて、ざわついた気持ちがずっと収まりません。
このままでは寂しすぎる、と離婚も考えるようになりました。
また夫への復讐のために、出張ホストなどの性風俗を利用しようかとさえ思うようになりました。
考えられる原因は
これを読んだ多くの方は、
「なんでもっと早く真剣に問いつめなかったのか?」
「若いうちにさっさと離婚すればいいのに。一方的なセックスレスなら離婚の要件は満たしているはず」
と思ったことでしょう。
でも、夫に意見ができない、特に性的なことは言えないという女性はいまだに多くいます。
特に病弱で働けない女性の場合、離婚後の生活の不安があり経済的に夫に頼らざるを得ず、夫に逆らえない状況に陥っていいます。
夫の意見を聞かないことには、なぜ妻とセックスをしようとしないのか、その真相は不明です。
新婚当初からないわけですから、「家族のような存在だから」という理由は言い訳でしょう。
考えられることをいくつか挙げるとすると、
・夫は真性のEDで、男としてのプライドから性行為を避けてきた。
・ずっと続いている不倫相手がいて、その女性としか愛し合えない。
・実は同性愛だが、世間体のため異性と結婚した。
・何らかの幼児体験やトラウマのせいで性嫌悪になった。
体だけの問題であれば、泌尿器科に相談したりバイアグラなどの薬を試したりと努力をするでしょうから、それだけではないように思われます。
ただ、どんな理由であれすでに結婚15年。正直、夫が今から改心するとはあまり思えません。
しかしだからといって、Eさんがこの寂しさを抱えたまま後半生をやり過ごしていくのは辛すぎます。
Eさんは夫ともう一度真剣に向き合い、夫の気持ちを確かめた上で、これからどう生きたいのかを検討する時期に来ているのだと思いました。
セックスレスで離婚は現実的な選択肢か
まず大切なのは、どれだけ現実的に離婚を考えられるのか、自問することです。
セックスレスが本当に離婚の動機となるほどの比重を占めているのか。
今は友人への羨ましさから夫への恨みを募らせていますが、これまでそんなに悩まずに生活してこれたことも事実です。
夫には期待せず、安定した生活をするために結婚を続けていくのもまた一つの選択肢です。
離婚を検討するなら、夫は夫婦の義務を果たしてこなかったことになり、慰謝料の請求もできるかもしれません。
しかし離婚となると、財産分与だけで一生暮らすことは難しいため、今後の生計をどうするか、できる仕事はあるかきちんと計画を立てておく必要があります。
実家に帰ることは可能なのか、財産分与や年金はいくらくらいになりそうか、離婚前に法律相談も受けた方がいいでしょう。
夫への愛はあるか
セックスのことを抜きにして、まじめで頼りがいがあるとか、日常会話でウマが合うとか、一緒にいて安らぎがあるなど、夫にも好ましい点があるはずです。
そうでなければ15年も結婚生活が続かないと思います。
また、子どもは持てなかったにしろ、2人で築いた大切な歴史もあることでしょう。
一時的な感情の揺れが収まったら、夫のよいところにも目を向けて、夫と生きていく可能性も考えてみましょう。
これからも一緒にいたいと思えたら、そのための努力を始めることになります。
波風を立てることになっても、もう一度向き合ってみる。
そしてやはりうまくいかなかった場合、性生活がなくても幸せになるために、どのような生き方をしたらいいか見つめ直す作業に入ります。
幸せの形は人それぞれです。
趣味や仕事に打ち込み楽しく過ごしている方もいます。
また、性行為はないがスキンシップは抵抗なくしてくれるというパートナーの場合は、ふれあいを大切にすることで親密感を得ることができると思います。
自分が幸せになることが大切
Eさんは夫と冷静な話し合いを持つことができました。
しかし結局夫は「自分にはそういう欲求がない」と繰り返すばかりで真相はわからなかったのです。
数か月にわたって悩んだ末、Eさんは夫の本音を聞くことをあきらめました。
実は一時、真剣に離婚準備に入ったり、性風俗に通ったりしたこともありました。
性風俗に関してはセックスへの好奇心によるところが大きく、金銭を介した関係に嫌気がさしすぐにやめることになりました。
ただ、いろいろ努力はしたことにある程度の満足感があり、夫との平穏な生活の継続を選ぶ決意ができたのでした。
どのような選択をするかは人それぞれで正解はありません。
唯一の基準軸は、「自分が幸せになる」ということです。
セックスは大切なコミュニケーション手段のひとつですが、絶対不可欠とするかどうかは個人の判断です。
ただ、レスの状態であるのならば、少しでも早いうちに解決に向けて動き出してほしい、その方が成功率も高いということは確実に言えると私は思います。
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