また夫と一緒に暮らしたい

日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性87.26歳です(2017年)。
夫婦ともに健康であれば結婚生活は数十年に及ぶことになり、それだけ長い年月の間には一度や二度の離婚危機があってもおかしくありません。
妻に経済力があれば長期間にわたる別居になることもあります。

しかし別居を続けても離婚にいたらない夫婦があります。

片方が離婚にデメリットを感じて離婚に応じない場合。
相手に経済力があるので別居状態で高額の生活費をもらっていた方が得である。
あるいは、子どもの結婚式での体裁を保つため、形だけでも夫婦揃った状態でいたい、など。
このような場合でも、もう片方が離婚を望むなら、長期間の別居は夫婦関係破綻とみなされるため、いずれは調停や裁判で離婚される可能性が高いでしょう。

それから、両方が仮面夫婦のような状態でも構わないと思っている場合もあります。
わざわざ離婚するのが面倒だということでしょうか。
「離婚にエネルギーを使う気力もない」と言いますが、本当に相手がイヤだったら離婚してスッキリしたいと思うはず。婚姻を続けているということは、いつか修復できたらいいな、という願いが頭の片隅にでもあるからではないかと思います。

しかし修復のきっかけを作るのは簡単ではありません。
若い夫婦であれば「子どものためにまた一緒に暮らそう」と呼びかけやすいですが、ある程度の年齢になると修復のきっかけさえもつかめなくなります。

 

 

 

夫と復縁したい

別居が20年続いているDさん(60)は復縁したいという主訴で来談しています。
(ご相談内容は個人が特定できないよう変更を加えてあります)

小学校教師として夫と対等の収入があったDさんは、30代の頃は家事育児との両立に疲弊し、さらに夫の浮気疑惑もあったため夫婦喧嘩が絶えませんでした。
40歳の時、夫の借金が発覚した時に爆発して大喧嘩となり、「もう出て行って」と夫に別居を求め、それ以来一人で2子を育て上げました。
今は子ども2人とも家を出て仕事も退職し、静かな毎日を送っています。

しかし2年位前から夫と復縁したいと思うようになりました。
子どもがいなくなった寂しさもあると思いますが、Dさんは夫に申し訳なさがずっとあるのだと言います。

夫の浮気疑惑は疑惑のままで終わり真相はわかりません。
借金は株の失敗で作ったものでしたがとっくに完済しているし、別居中の生活費(婚姻費用)は滞りなく払われてきました。
子どもたちも自宅から遠くない夫のワンルームマンションに頻繁に行き交流が途絶えなかったので、親の別居にそれほど傷ついた様子はありませんでした。
子どもの結婚式では夫婦並んであいさつし、他人には20年も別居しているとはわからないくらい和やかに話すこともできました。
実際今でも月に1回ほどレストランで会って近況報告をしています。
夫へのネガティブな気持ちはもう全然なく、夫もDさんに優しく接してくれます。
つまり、もう別居している理由がお互いないのです。

 

 

自由を覚えた夫

もう同居してもいいのではないかと思い、これまでに数回「また一緒にならない?」と言ってみたことがあります。
夫はいつも「そうだなあ」と煮え切らない返答です。
「それもいいかもな。でもいろいろ面倒だしな・・・完全に引退したら考えるよ」と言葉を濁したままで終わります。

夫に女性がいる気配はありませんが、遠慮があり夫のマンションには長いこと行っていません。
すでに夫にとって狭いながらも居心地がいい城になっているのでしょう。
もともと釣りや鉄道写真など、一人で遊ぶことが好きな人でした。今更人に気遣いながら同居するのは億劫だということかもしれません。
夫は、不便で孤独ではあるが、Dさんに気を遣うこともない、誰にも縛られない自由を手放す気がないのではないか、とDさんは推測しています。
以前Dさんから「出ていけ」と命じ、頭を下げる夫を許さず別居を強行した経緯があるだけに、今更呼び戻すのが自分勝手な気がしてあまり強く言えないとのことでした。

 

 

どうして夫といたいのか考える

私はDさんに、夫とどうして一緒にいたいのか尋ねました。

離婚にしろ別居にしろ、別れたいと思ったからには何らかの原因があります。
その原因が解決されていないのに、一時的な寂しさから復縁してもまた同じ争いが繰り返されることになります。
Dさんは子どもが出ていった寂しさで落ち込む「空の巣症候群」と、長年勤めた小学校を退職した喪失感、遅くやってきた更年期症状などで、この2~3年うつ症状が出ていると思われました。
夫と暮らすことで状態がよくなるのか、新たなストレスで更に落ち込むことにならないか。
ご自身でじっくり考えてもらいました。

Dさんが夫に怒り嫌悪した理由は、夫の浮気疑惑と借金でした。
まじめでおよそそのような女性やお金の問題を起こすような人ではないと信じていただけに、裏切られたショックが大きかったのでした。
その点は、「浮気だったのか真相はわからないが、別居後に離婚を求めてこなかったということは、その女性と続いていなかったからだと思う。もう年月が経ったしそれは許せる気がする」
「女のせいで借金したと思っていたが、後で株の失敗とわかった。節約に厳しかった私には失敗が打ち明けられず、自分でなんとかしようとあがいたのだろうと今ならわかる。今現在危ない投資をしているわけでもないし、もう気にしていない」
「子どもたちにとっていい父親だったし、今夫の悪いところが見つからないのでまた一緒にやっていける気がする」
と夫を肯定する言葉ばかり出てきました。

 

 

夫と復縁した人生を想像する

次に、もしまた夫と一緒になれたら、どのような人生になると思うかを想像してもらいました。
「2人とも運動が好きで早起き。だから早朝ジョギングを一緒にしたい。もう子どもの世話を考えなくていいから、帰りには一緒にコーヒーのおいしい喫茶店に寄ってのんびりする。料理は好きだから夫の好きなものをたくさん作ってあげたいし、夫が野球好きなので一緒に神宮球場に行きたい・・・」
とやりたいことがたくさん出てきて止まりません。
Dさんが夫と一緒に暮らしたい気持ちに迷いはないと感じました。

 

もう20年も別居しているのだし、今すぐに戻ってきてくれるかわかりません。
でも遠慮せず、明るく積極的にアプローチをした方がよさそうです。

私は、

「土曜日に野球を一緒に見に行こうよ」
「週末に娘夫婦が来るからたまにはうちで一緒に会わない?」
「台風で庭が荒れたから直してほしい」

など何か用事を作って、まず夫に自宅に帰ってもらったらどうかと提案しました。
Dさんは今更という気恥ずかしさを脇に置いて、少しずつ夫を誘うようになりました。

以前は月に1回の食事だった夫との交流が3~4回に増えました。
しかし今心配なのが、夫の両親の健康状態です。
夫は九州出身で、次男とはいえ高齢の両親が倒れたら面倒をみなくてはならない可能性があります。
以前夫は「親が2人でやっていけなくなったら、思い切って実家に帰って老後を過ごすよ」と言っていたことがあり、そうなったら二度と一緒に暮らすチャンスがなくなるような気がしています。
そう考えるとあまり時間がないと焦ってきます。

今もまだDさんは夫との同居が叶っていません。
夫はDさんの誘いを拒むでもなく、以前は足を踏み入れなかった自宅に来るようにはなりましたがまだ泊まることはなく、夫も慎重になっていると思われます。

「でもあきらめないことにしました。夫と一緒になりたいと心から思えるので」
とDさんは前を向いています。

残念ながら、多くの事例を見ると、別居期間が長いほど修復は難しいという印象があります。
しかしDさんの真摯な思いがいつか夫に伝わり、定年後の日々を共に穏やかに過ごせるようになったらいいな、と私も願っています。

 

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