夫婦の問題解決をゲームと考える
新型コロナウイルス対策のため、「テレワーク」を実施する企業が増えています。
しかしいきなりテレワークと言われても、IT企業にお勤めの方ならともかく、家でできる作業なんてあまりないという方も多いのではないでしょうか。
実際は単なる自宅待機となりやることがない、しかしみだりに外出もできないため家でゲーム三昧という夫に、「こんな時くらい家事をやってよ」とイライラする妻・・・
という情景が目に浮かびます。
夫が長期休暇で在宅になると、必ずこの手のグチともいえるご相談があるからです。
しかし今回は単なる休暇ではなく緊急事態。
夫も自分の意志で休業しているのではないのだし、家にいることに文句を言うわけにはいきません。
夫に対していろいろな不満がたまってきた場合どうしたらいいかと考える時、私はいつもAさんのことを思い出します。
(以下のご相談は個人が特定できないよう変更を加えてあります)
問題をクリアすべきゲームととらえる
Aさん(37)は再婚8年目。現在11歳の娘は前夫との子どもです。
再婚した夫(35)は穏やかで優しい会社員です。
しかし一緒に暮らし始めると小さなトラブルは当然起こります。
Aさんはフリーライターで夫以上の収入があるし、どうせ娘は夫との子どもではないのだからいつでも離婚できる、とどこかで思っていました。
でも「いつでも離婚できるとなるとかえって、”今はもう少し頑張ってみよう”と思い直すことができるんです」
ということで、小さな夫婦の危機をなんとか乗り越えてきました。
Aさんによると、乗り越えるためのコツは「ゲーム感覚でいること」だそうです。
Aさんはこんな風に話してくれました。
腹が立つことがあると「もうこんな生活イヤ!こんな人といたくない!」と絶望的な気持ちになりますよね。
でもここでキレて暴言を吐いたら収拾がつかなくなります。
そこで、とりあえず自分の部屋に入って落ち着いてから、自分が当事者ではなく第三者のような気持ちになって今の状況を俯瞰で見るんです。
ドラマを見ているような感覚というんでしょうか。この先主人公はどうするんだろう?どういう解決方法を取るのかな?とワクワクして見る。
そのうち「こうしたらいいんじゃないか」というアイディアが浮かびます。そうしたら、それを実行してみる。それがうまくいったら「難しいゲームがクリアできた」という達成感が得られます。
では具体的に、Aさんはどんな風にトラブルに対処してきたのでしょうか。
夫が失業した時
会社の経営不振で、夫は結婚2年目にリストラされてしまいました。結局再就職するまで1年かかったのですが、その間はやはり不安でした。
仕事能力の高いAさんから見て夫はあまり「デキる」タイプではなく、今後も大した出世は見込めないだろうと思われました。
このままずっと転職を繰り返して”お荷物”になったらどうしよう?娘と2人で暮らす方がマシじゃないか?という思いが頭をよぎることもありましたが、ここで発想を切り替えたのです。
男女平等の時代、夫が主夫になったっていいんだ。
これは娘と夫が本当の父子になるために神様がくれたチャンス。夫に娘の世話をしてもらおう。
と決めました。
夫が再就職するまで娘を全面的に任せることにしたのです。
それまで夫は子どもの扱いが苦手で、娘に距離を置いているところがありました。
Aさんとしても子連れ再婚の引け目があり、できるだけ夫には子どもの世話を頼まないようにしていたのですが、これを機に一日中夫にすべての家事育児をやってもらうようにしたのです。
夫が粗相をしないかという不安はありましたが、たとえやり方が下手クソでも文句を押し殺して、できたことに感謝するように心がけました。
「夫を一流の主夫にするゲーム」と割り切ることにしたのです。
しかし人間、慣れればどんどんうまくなってくるものです。
夫は意外と家事に向いていたのか、料理も家の整頓もかなり上達しました。
また、それまではあまり夫になつかなかった娘が「パパ、パパ」と一緒に遊びたがるようになったのは何よりの収穫でした。
夫も娘への愛着がわいてきたようで、以前は娘と2人になるとどうしていいかわからずギクシャクしていたのが、自然と一緒に過ごせるようになりました。
あとから振り返るとこの失業期は、夫と娘が親子になるための大切な時間となりました。
夫の不倫疑惑
しかしこんなにまじめで温厚な夫にも不倫事件がありました。
結婚5年目の頃です。
最近コソコソと携帯をいじっているな、帰宅が遅くなったし、と疑いを持ち始めたAさんは夫の動向をうかがっていました。
パソコンの履歴やラインのやり取りなどから、関連会社の20代女性と何度か食事をしていたことがわかりました。やり取りには交際に結び付くような決定的な文章はないのですが、どうやら夫の方から相手を誘っているようです。その女性は夫を”奢ってくれる便利なオジサン”と見ているだけなのか、まんざらでもないのか、わかりませんでした。
証拠を突きつけて怒りを爆発させたいところでしたが、Aさんはここでも冷静に状況を検討することにしました。
ラインの文面を精査して出した結論は、「夫は彼女に恋しているが、彼女は夫を利用しているだけ」というものでした。
それなら肉体関係にまで発展することはないだろうと予測し、夫がフラれるのを待つことにしました。
夫の帰宅が早くなり、携帯を握りしめることが少なくなった頃にAさんは静かに夫に伝えました。
「この半年、あなたの様子がおかしいと感じていた。多分好きな人ができたんじゃない?でも人の気持ちを縛ることができないこともわかっている。だからあなたを問いただそうとか謝らせようとか思っていない。ただ、私は一生添い遂げる覚悟をして再婚したのだし、あなたの気持ちが離れたらすごく悲しい。それだけはわかっていてほしい」
夫はしどろもどろに「それは誤解だ、何もないよ」と言っていたそうですが、それ以上その話題を続けず、今に至るまでお互いそこには触れていないとのことです。
泣きわめいて責められるのもキツいけれど、こんな風に言われるとかえって怖いものです。
夫の不倫が”未遂”だったからこそ功を奏したテクニックですが、「禁じられるほど燃える」という人間の性からすると、このような寛容さは逆に不倫の歯止めになると思います。
セックスは苦手科目のテストと同じ
Aさんは性欲においては淡泊だと自認しています。また夫もあまりしたがる方ではなく、過去の女性経験も多くはないそうです。
結婚当初こそ週1回のセックスがありましたが、すぐに月に1回程度に減りました。
本音としては別になくてもいいのですが、夫の不倫疑惑があってから考えを改めました。
今回はプラトニックに終わったとしても、夫はまだ30代の男性。チャンスがあればまた浮気する可能性もあるんだ。浮気の動機は性欲だけではないとしても、その危険を少しでも減らすために、レスになってはいけない。
そう考えたのです。
Aさん自身が「したい」と思うことはあまりないのですが、Aさんはこれも「結婚生活において必ず出てくる課題」ととらえることにしました。
秀才だったAさんは理科だけが苦手でした。しかし苦手科目があったら内申点が悪くなってしまうので、理科に関しては「平均点をクリアする」と決めて、コツコツと基礎的な部分だけに集中して勉強し、平均点を取っていました。
セックスもそれと同じ。特別なことをしたりすごい快感を得るというのは難しいし、あまり求めてもいない。でも普通にスッキリできるようなセックスを夫に提供することは大事だ。
そう思い、定期的にAさんから求めたり、疲れていても夫が喜ぶことをしてあげたりと気を遣って、「レスにならない」という平均点を目指しました。
Aさんは、セックスも「義務」というより「クリアすべきゲーム」という意識に変換するように努めたのでした。
賭けを楽しむ
Aさんはこのように語っていました。
私は人生って賭けの連続だと思うんです。
前夫との勝負には負けましたが、今の夫と結婚したのは新しい賭けです。今回の勝負にも負けた、とは思いたくない。今度こそ逆転勝利しよう、みたいな気持ちですね。
夫婦の間では、問題をひとつクリアしてもまた別の問題が出てくるとは思いますが、その都度乗り越えていって、どんどん強くなっていきたい。
トラブルがあった時に、それをイヤなものとしてとらえるか、「これが解決できたら私ってすごいぞ」と挑戦的な気持ちになるのとでは全然違うと思います。
トラブルが起きることは変わりませんが、それをどう見るかによってその性質は変わります。
私は「よし、新しいゲームに挑戦だ」と気合を入れることにしているんです。
Aさんのポジティブさは生来の性格もあるのかもしれませんが、前夫のDVや借金で苦労していた頃は相当辛かったに違いありません。
その経験があるからこそ、現状に悩むだけでは何も変わらない、現状を変えようと挑戦すればいい、という強い気持ちを持つことができるようになったのだと思います。
パートナーに対してちょっとした不満を感じた時、それを直接相手にぶつける前に、「これが変えられたらすごいぞ」と前向きに考え、冷静に計画を練ってからその課題に挑戦してみること。
ぜひ参考にしてみてください。
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